今月は、蓮田市を飛び出して、幸手市の古民家再生の話を紹介します。
幸手駅入口交差点の角にある旧岸本家住宅の紹介です。
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【Before】  改修前 
 
旧岸本家住宅は、江戸時代末期の建物で、大正時代まで醤油醸造業を営んでいました。
「上庄(うえしょう)」の屋号で呼ばれていたこの店の醤油は品質の確かなもので、1900年パリ
万博で、銅賞を受賞しました。夏目漱石がロンドン留学行きの途中見学に立ち寄った万博
の時の事です。

【After】   竣工後
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関東大震災で倉が被災し、住宅部分だけが残っていましたが、昨年夏ごろから店舗として地
元の町並み活性化に再利用しようと、再生改修工事に着手し、今年の春先に完了しました。
その直後に3月11日の震災がありました。再生改修工事をしていなかった事を考えると、工事
が終わっていて本当に良かったなと思います。耐震補強がされていたので無傷でした。

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旧日光街道に面したこの建物は、国登録有形文化財の指定を受けています。
先日店舗の内装工事がようやく完了し、11月15日喫茶「上庄かふぇ」としてオープンしました。
年月を経た柱や梁が趣のある内装は、とても落ち着いた雰囲気で、どこか懐かしさを感じさせ
てくれます。
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ぜひ一度立ち寄ってみて、歴史を感じてみる事をおすすめします。